●チュニジアワインの歴史と農学者マゴン
紀元前3千年頃、古代オリエント人が野生のぶどうの汁を自然発酵させて飲んでいたのを、 同じ頃地中海沿岸で活躍していた海洋民族フェニキア人がヨーロッパに伝えました。
フェニキア人が各地に築いた植民都市のなかでも「海の帝国」と呼ばれ、 ローマを嫉妬させるほどの繁栄を誇っていたのがカルタゴ、今のチュニジアでした。
海上貿易によって経済力をつけ、農業と樹木栽培を発展させたカルタゴには、 古代の最も有名な農学者であり醸造学者だったマゴン (Magon) がいました。
マゴンの著したぶどう栽培の技術や複雑な仕込み方を含む農業専門書「マゴンの農業書」全28巻は、 ラテン語、ギリシア語に翻訳されてヨーロッパに広まり、その結果ワインがローマに伝えられました。
そして、そのマゴンの実践理論は現在もなおワイン醸造の現場に活用されています。
かつてチュニジア産のワインは、両取っ手付きのつぼ、アンフォラに入れられ、船蔵の奥底に積まれ、地中海全域の港に運ばれていました。今そのワインは、チュニジアの太陽、土壌によって風味が与えられ、時空を超えた技を伝えています。 |