ジュリアン・ブロカール
■「シャブリでビオディナミが成功するはずがない」。猛反対する父との戦いから始まったジュリアンのビオディナミへの挑戦
■今ではブルゴーニュ最大のビオディナミ・ドメーヌに
ジュリアン・ブロカールは1997年に父が興したシャブリの大ドメーヌ、ジャン・マルク・ブロカールを引き継ぎました。2代目当主となった彼の挑戦は「シャブリでビオディナミが成功するはずがない」と猛反対する父との戦いから始まります。
安定的な供給を望む父との意見の対立がありながらも、彼はワイナリーに隣接するドメーヌ・ド・ラ・ボワッソヌーズと呼ばれる11haの単一区画でビオディナミの手法を取り入れることを決意します。
ビオディナミ栽培を実践する中でジュリアンは畑の土壌が活発化し、テロワールそのものを表現しやすくなっただけでなく、ブドウがより活力にあふれ、味わいそのものが格段に向上したことを実感します。
そして2012年、より自分の理想に近いシャブリを追求するため、自身の名を冠したドメーヌ「ジュリアン・ブロカール」を設立しました。
今では、父から継いだジャン・マルク・ブロカールと、自身のジュリアン・ブロカールの2つのドメーヌの当主であり、ブルゴーニュにおいて最大規模のビオディナミドメーヌです。
ビオディナミ栽培が成功するにつれ、猛反対していた父とのわだかまりも自然に消え、偉大な父のドメーヌをリスペクトしつつ、さらにビオディナミで進化させたのです。
ジュリアン・ブロカールでは7つの区画にまたがる合計25ha全てでビオディナミを実践しています。
■最も力を入れるスタンダード・シャブリ「ボワッソヌーズ」
ジュリアンが最も力を入れているのは優良なプルミエ・クリュでも高価なグラン・クリュでもありません。「私達にとってはグラン・クリュやプルミエ・クリュよりもスタンダードのボワッソヌーズが大切です。高価なシャブリではなく、本来のシャブリの美味しさを広めたいのです」
「私のシャブリ・ボワッソヌーズがビオディナミ認証を受けた時は、これまでワインを造ってきて、一番嬉しかった瞬間でした。転換までの様々な努力が報われた気がして、本当に嬉しかった」。
ボワッソヌーズはジュリアンにとってビオディナミの原点になった畑。
しかしビオディナミ栽培は時に残酷な現状を生産者に突き付けます。
「いちばん辛かったときは、2016年、激しい嵐や霜害、雹害がシャブリを襲って、ビオディナミ栽培に切り替えた全てのブドウの実がダメになってしまい、その年のワインが造れなかった時・・・。本当に悔しかったし辛かった」。
全く収入が得られなくなるということです。。。
「プレパラシオン(ビオディナミの調剤)も購入するのではなく、自分達で作っています。ビオディナミによって各畑の個性がより明確に出てきています」
年月を経ることでビオディナミ栽培の畑はより病害に強くなっていきます。
■キンメリジャン由来のヨードの強いミネラルこそがシャブリ
AOCシャブリは買いブドウから造られることが多い中で「ジュリアン・ブロカール」のシャブリ「ボワッソヌーズ」は全て自社畑。醸造所に隣接した畑で収穫後、すぐに仕込みを行うことが出来ます。「ボワッソヌーズはグラン・クリュと同じ時代の後期キンメリジャン土壌が露出する畑。グラン・クリュほどの傾斜はありませんが、同じ土壌です」
「本来のシャブリは1億5,000万年前のジュラ紀に、海の底で貝殻や海の生物の死骸などが堆積してできた、粘土石灰質のキンメリジャンといわれる土壌から生まれます。その土壌から造られるシャブリのワインからはヨード(海苔などの磯っぽい香り味)の香り味わいがします。そのヨードの強いミネラルこそがシャブリであり、コート・ド・ボーヌのワインには無い個性といえます」
シャブリには大規模生産者が多くいます。
ですが、その多くが1970年後半のAOC拡張時に広がった「ポルトランディアン土壌」の畑を所有しています。
「ポルトランディアン土壌」はAOCプティ・シャブリの土壌で、キンメリジャン石灰質ではなく通常の粘土石灰質なので「ヨード」を感じることはありません。
ジュリアン・ブロカールは北部の「ポルトランディアン土壌」ではなく、南部のプレイ村に醸造所を構え、プティ・シャブリを除き、拡張前の元々のキンメリジャン土壌のみに畑を所有します。
今ではブルゴーニュ・ブランのようにたっぷりとした果実が前面に出てヨード感を感じさせないシャブリも多くあります。しかし「ジュリアン・ブロカール」は昔と変わらないシャブリ本来のヨード感をしっかりと感じさせてくれます。
■醸造においても積極的に新しい手法を取り入れる
醸造でも父とは対照的に、新しい手法を取り入れることに寛容で、バリックに加え卵型のコンクリートタンクも併用しています。コンクリートには酸素透過性があるため、オークの香りをつけることなく微量な酸素とのコンタクトが可能です。
さらに、卵型の形状の場合、タンクの上部と下部で微妙な温度差が生まれ、その温度差がタンク内部での液体の対流を生み、澱が自然に撹拌されます。
その結果バトナージュが不要となり、過度な人為的介入をすることなく澱からの旨味を均一に引き出すことが出来るので、より自然な味わいが生まれるのです。
品質の向上を求めて常に前進し続けるジュリアンからは、ジャン・マルク・ブロカールでのワインよりもさらにレベルの高いものを造ろうとする熱意がしっかりと伝わってきます。
偉大な父からのドメーヌをビオディナミによってさらに進化させた、シャブリの未来を担う今大注目のドメーヌです。
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Julien Brocard Chablis Boissonneuse 2021ジュリアン・ブロカール シャブリ ボワッソヌーズ
ハチミツや砂糖漬けのレモン、柑橘フルーツのアロマ。オレンジリキュールのような濃密さに木樽のほのかなロースト感が最高!
商品コード: fow1140
希望小売価格(税込):¥6,160
販売価格(税込):¥5,544
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Julien Brocard Chablis 1er Cru Cote de Lechet 2021ジュリアン・ブロカール シャブリ プルミエ・クリュ コート・ド・レシェ 2021
このドメーヌが誇る1erクリュの中で最もボリューミーなキュヴェ。熟したリンゴ、マーマレード、レモンピールの大胆な香り。
商品コード: fow1270
希望小売価格(税込):¥7,810
販売価格(税込):¥7,029
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Julien Brocard Chablis 1er Cru Montee de Tonnerre 2020ジュリアン・ブロカール シャブリ プルミエ・クリュ モンテ・ド・トネール 2020
ギュウギュウにつまったトロピカルフルーツが弾けるイメージ。余韻にはハニーアーモンドの雰囲気。
商品コード: fow1277
希望小売価格(税込):¥8,580
販売価格(税込):¥7,722
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只今品切れ中です。 -
Julien Brocard Chablis Grand Cru Les Preuses 2021ジュリアン・ブロカール シャブリ グラン・クリュ レ・プルーズ 2021
甘い香りのスイカズラの花、砂糖漬けのオレンジピールの香り。肉付きのよい力強い果実味、フィニッシュに感じるミントのニュアンス。
商品コード: fow1271
希望小売価格(税込):¥16,500
販売価格(税込):¥14,850
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Julien Brocard Chablis 1er Cru Vau de Vey 2021ジュリアン・ブロカール シャブリ プルミエ・クリュ ヴォー・ド・ヴェイ 2021
蜂蜜に砂糖漬けのオレンジの皮、海塩のニュアンスを感じる石灰質のミネラル。エネルギッシュで垂直性の強い味わい。
商品コード: fow1269
希望小売価格(税込):¥7,480
販売価格(税込):¥6,732
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