ジョージアの伝統の宴会文化『スプラ』を知る



葡萄屋ソムリエ・五月です!皆様は、「宴会」と聞くと、皆様はどのようなイメージを持たれるでしょうか?
大広間で浴衣にビール?ネクタイを頭に巻いたサラリーマン?笑

アンフォラを用いた製法のワインで大人気のジョージアの宴会は日本のそれとは全く異なっています
ジョージアでは、歴史や文化に基づき、伝統的な形式で行われているというのです!
この特集では、そんなジョージアの宴会「スプラ(supra)」をご紹介いたします。

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ジョージアの一般的な知識を少しおさらいしましょう。

ジョージアは西に黒海、北に大コーカサス山脈、南に小コーカサス山脈に囲まれたヨーロッパの東端に位置しています。面積は北海道よりも小さいくらいです。古くから交通の要所として栄えてきました。そのため、様々な文化が入り混じってきました。ジョージアはこの多様性を受け止める広い心を持ち合わせた国家や人民と言えます。

その反面、この交通の要所を狙って、古くから大国に狙われてきました。そのため、民族衣装には短剣や銃弾があしらわれるほどです。落ち着く暇もなかったんでしょうね・・・

下記はシルクロードを表す地図です。赤い印がジョージアです。
中国などのアジアとヨーロッパを結ぶ、非常に大切なところに位置していることがこの地図でも分かります。


気候の面では、黒海沿岸は亜熱帯でビーチリゾートが楽しめるほど温暖。北部の5000m級の山々が連なる大コーカサス山脈のふもとには半砂漠地帯、ワインの銘醸地カヘティが位置する東部は大陸性気候と様々な気候帯が分布しており、それぞれ違った文化が発展しているのもジョージアの面白いところです。



本題の宴会文化の話に入っていきましょう。

ジョージアでは宴会のことをスプラ(supra)と呼びます。
もともと、スプラはテーブルクロスを指す言葉ですが、宴会のテーブルには必ず伝統的な図柄のテーブルクロス(↑)が引いてあることから宴会のこともこのように呼ばれるようになったそうです。結婚式から、仲間が集まっての飲み会まで広くこの呼び名が使われています。

テーブルクロスは大切な人をもてなす特別な時を意味しています。ジョージアでは「お客様は神様からの贈り物」と言われており、人々を温かくもてなす、ジョージア人々のお人柄を示しています。

スプラでは初めから、前菜がいくつかテーブルにセットされています。席に着いてすぐに、食べられるようにとの優しい配慮だそうです。聞けば聞くほど、やさしい~~~

スプラには大切な合言葉があります。
その言葉が、「Sadgegrdelo」(長寿などの意味)、「Gaumarjos!」(勝利の意味)。
この言葉で乾杯をしてスプラが始まります。会の途中で乾杯する際にもこの合言葉を使うそうです。

この乾杯の言葉を決めるのが、タマダ(tamada)です。

タマダは宴会の仕切り役。タマダは宴会全体を指揮していくのだそうです。乾杯の言葉に始まり、その日に集まった人々と話し合う内容を決めたり、その場に応じて詩を詠んだり、歌を歌ったりと大忙し。

ジョージアではこのタマダをうまくできる人は非常に尊敬されているとか。なぜなら、大切な人をおもてなしする大事な時間を背負って立っているのですから!非常に責任が重いのです。

ある映画でスプラのシーンを見たのですが、本日のお題をまずタマダが参加者に向けて話します。その話し方はワイワイというより、非常に静粛な感じ。このスピーチが終わると、合言葉と主に乾杯します。手に持ったワインを飲み干し、タマダに指名された人がテーマに沿って次に話し出すといった感じなのです。これが、朝まで延々と続くのだそう!!酔って寝てしまってわないかな・・と、さすがの私も心配になります。

スプラにも色々あって、その場で急に開催が決まる場合もあれば、数日~数か月前から練りに練って行われることもあるそう。予め、開催日が決まっている場合には、タマダの選出や話す内容は協議を重ねて決められるとか。軽い、宴会じゃないっすね 笑

でも、なぜ、こんなにも宴会に力を注ぐのか・・・それは、ジョージアが辿ってきた歴史に答えがあります。

ジョージアでは、様々な侵略にさらされた際、言論の自由が制限されていたそうです。唯一、スプラの際だけは、自由に話すことが許されていたため、人々は様々なテーマについて深く話し、お互いの気持ちを伝えあってきたのです。スプラではすべてが平等というのも大切な意味を持っています。役職、性別、年齢の垣根を越えて、その人を理解するために話して、飲む。これが大切なんだそうです。


スプラに欠かせないのがワインと料理。これはどこの国も一緒ですね♪

ジョージアの食文化は非常に様々。同じハチャプリというチーズを挟んだパン一つとっても、地方によって全く違います。下の写真は、各地方のハチャプリです。見た目が全く違いますよね~~



ワインももちろん同様で、地域によって使用する品種が違ったり、醸造に使われる製法が違ったりします。

ジョージアでは伝統的な製法「クヴェヴリ」はもちろん、ヨーロッパ式と言われる近代的な方法でもワインが醸造されています。生産地としては、東部のカヘティを中心にほぼ全域でワインが生産されています。

白ワインはツィナンダリ、赤ワインはキンズマラウリムクザニなどが有名です。
ソビエト連邦統治時にはほぼ、ソ連向けに輸出されていました。甘いものが貴重なソ連ではやや甘口が大人気!
そのため、アラザニやキンズマラウリが人気だったそうです。

クヴェヴリ製法が無形文化遺産に登録されてからは、日本でも注目されています。

さて、スプラの話に戻りましょう。

スプラでは「カンツィ」と呼ばれる動物の角で作った杯にワインを注ぎ乾杯します。角・・・そう、テーブルに置くことはできません。そのため、すべて乾杯したらすべて飲み干すのが原則です。ワオッ

私はこの話を聞いて、鹿児島の焼酎のコマのような杯を思い出しました。国は違えど、のん兵衛の考えることはみな同じ 笑
もちろん、普通のグラスでもワインを楽しんでいますが、ぐぐっと飲み干す伝統は変わらないようです。

もちろん、二日酔いにもなるそうですが、その時に役に立つのがジョージアの天然炭酸水だそうで。ジョージアの方はスプラの最中はもちろん、翌朝にも飲んで二日酔い防止にするのだそうです。ジョージアの天然炭酸水にはミネラル含有量が多いのが特徴だそうです。私もやってみよっと!

チャチャという蒸留酒は胃に良いそうで、朝から3杯くらい飲んで元気を出すとか。私には真似できませんが 笑

皆様、ジョージアの宴会文化お分かりになりましたでしょうか?私もジョージアを訪れた際には、ぜひスプラに参加させていただこうと思います!!その時には実録「スプラ」をお届けいたします 笑

この特集は、先日オンラインで開催されたジョージア大使館のセミナーで伺った内容をもとに作成しました。
ご協力いただいたジョージア大使館の皆様、ありがとうございました!

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