Domaine Louis Remy(Domaine Chantal Remy)/ドメーヌ・ルイ・レミー (ドメーヌ・シャルタン・レミー)

ドメーヌ・ルイ・レミー (ドメーヌ・シャルタン・レミー)

■ルイ・レミーの魅力は「熟成ブルゴーニュの本当の美味しさ」を知ることができること

■200年にも及ぶ歴史あるドメーヌ

ルイ・レミーは1821年に創設され、約200年に及ぶ長い歴史のある名門ドメーヌです。

かつてはジュヴレ・シャンベルタンとモレ・サン・ドニに2つのドメーヌを構え、モレ・サン・ドニはルイ・レミー、そしてジュヴレ・シャンベルタンは弟のフィリップ・レミーが相続しました。

しかし、1989年にジュヴレ・シャンベルタンのフィリップ・レミーはドメーヌ・ルロワに畑を売却し、ドメーヌを畳んでしまいます。

■新生「シャンタル・レミー」の誕生

一方、モレ・サン・ドニのドメーヌ・ルイ・レミーは、1959年まで伝説の「シャンベルタン・ブラン」を造っていたことでも有名でしたが、1982年のルイ・レミーの死後、妻とその娘シャンタルがドメーヌを継ぎます。

そして2008年に相続の関係で、所有していた畑の2/3を売却することとなります。
規模こそ小くなりましたが素晴らしい畑を手元に残しました。

1988年から娘のシャンタル・レミーがこのドメーヌを取り仕切っていましたが、母の死後、2009年にドメーヌの名称をこれまでのルイ・レミーから心機一転「ドメーヌ・シャンタル・レミー」に変更し、新生レミーが誕生します。

■ストックして熟成させてから販売する

ルイ・レミー（シャンタル・レミー）は、「ブルゴーニュワインは熟成したものがおいしい」という考えから、造ったワインの3分の1は自分の蔵にストックし、熟成を経て飲み頃と判断してから少しずつリリースするというスタイルをとっています。このドメーヌの昔からの伝統です。

このようなワインを小分けにする販売は、ボルドーでは一般的であるものの、ブルゴーニュにおいては多くはありません。ブルゴーニュの一般的な生産者は小さな家族経営であり、生産したワインの一部を貯蔵しておけるだけの資金・保管場所の余裕がないことが多いからです。

■古典的スタイルなワイン造り

ルイ・レミーのワインの味わいはとても古典的で、押しつけがましさのない自然なバランスが魅力です。
とてもクラシカルな醸造で強い抽出はせず、熟成は平均より2～4ヶ月長く、2年間樽熟成させてから無清澄・無濾過で瓶詰します。

新樽比率はほぼ0%と、古樽を最大限に生かした醸造を行っています。新樽比率を高めている現代の醸造に対し、ルイ・レミーの醸造方針はとてもクラシカルと言えます。

■好立地の畑ばかりを所有する

今でも馬による耕作と80年超えのブドウ樹から造る僅か面積0.14haのシャンベルタンを始め、ラトリシエール・シャンベルタン、クロ・ド・ラ・ロッシュの名だたるグラン・クリュを造っています。

所有する全ての畑が標高が高く、良い区画を所有していることも特徴です。
標高の高い畑から緻密な味わいのワインが生み出されます。

1989年にドメーヌ・ルロワが購入したシャンベルタンの畑は元々レミー家のもので、弟のフィリップ・レミーが相続した畑であったため、ルイ・レミーの区画と隣り合うことになったのです。

同時に、このシャンベルタンの区画は、アルマン・ルソーとも隣接している最良の区画です。

またシャンベルタンの南に隣接する特級畑ラトリシエール・シャンベルタンにも0.40haの区画を所有していますが、この区画も隣り合ってドメーヌ・ルロワの0.57haの区画があり、ここもやはり、1989年にレミー家から購入した畑で、名家レミー家ならではの好立地の畑です。

■テロワールの特徴がストレートに現れるルイ・レミー(シャンタル・レミー)のワイン

ルイ・レミー(シャンタル・レミー)の伝統的な醸造法はテロワールの持つ特徴が素直にワインに現れ、熟成による経年変化も早くからしっかりと楽しめる仕上がりになっています。

15年、20年以上と長い間寝かせてから開けることも多いルイ・レミー(シャンタル・レミー)のグラン・クリュやプルミエ・クリュはふちがややオレンジがかった綺麗なルビー色をしています。

香りは熟したベリーの香りに、乾いた紅茶の茶葉やなめし革のような熟成ワイン独特の香りが豊に感じられます。

口に含むと綺麗な酸味とともに、さらさら滑らかなタンニンが広がり長い余韻に浸れる素晴らしい熟成ワインです。

現在では息子のフロリアン氏もドメーヌに加わり、クオリティーの向上が著しく、高いパーカーポイントも獲得しています。

名門ドメーヌはかつての輝きを取り戻しています。