モレ・サン・ドニ


■村の面積の3割をグラン・クリュが占める実はすごい村

■でも忘れられがちなモレ・サン・ドニ

ブルゴーニュのグランクリュ街道はワイン好きなら一度は踏破したい道ですよね。

ジュヴレ・シャンベルタンの街を出て、すぐにマジ・シャンベルタンを右手に通り過ぎ、その向こうにふっくらと盛り上がるようなクロ・ド・ベーズとシャンベルタンを見上げる時、その風景は「おぉっ!」っと思わず唸って言ってしまう、無類の感動を呼び起こします。

そしてその感動は、終点であるヴォーヌ・ロマネの、かの有名なロマネ・コンティの十字架のところまで続きます。

ところがこの道を通る時、何だか分からないうちに終わってしまうのが、モレ・サン・ドニです。。。

ジュブレ・シャンベルタンの最後のグラン・クリュのラトリシエール・シャンベルタンを過ぎると、モレのグラン・クリュであるクロ・ド・ラ・ロッシュが始まりますが、ごちゃごちゃ段差や道や壁が入り乱れて、全然「おぉっ!」が無く、何だか気が付かないうちに通りすぎ、ふと気が付くとそこには、「シャンボール・ミュジニー村」の看板が現れ、再び「おぉっ!」となる頃にはもうモレ・サン・ドニのことは忘れています。。。

そうなんです!モレ・サン・ドニ村を気付かずに素通りしていたんです!?
なので、少し街道を戻ってもらって・・・
はい!今回は忘れられがちな村、モレ・サン・ドニ村のお話しです。

■コート・ド・ニュイの他の村と全く引けを取らない実力持ったグラン・クリュの存在があるのに。。。

マルサネから約25キロにわたるコート・ド・ニュイ地区のほぼ中央に、モレ・サン・ドニ村はあります。

村全体での栽培面積は、フィサンやヴージョと並び、コート・ドールでも小さな村の一つです。

その面積のうちグラン・クリュは3割にもおよび、栽培面積に対するグラン・クリュとプルミエ・クリュの比率が他の村を圧倒して高いのです。

最高の銘醸地としての名声をほしいがままにしてもおかしくはないのですが。。。

■昔はジュヴレかシャンボールの名前で売られていた

AOC発足以前はモレ・サン・ドニの名前のワインは存在しませんでした。
造られたワインはすでに名声を得ていたジュヴレ・シャンベルタンかシャンボール・ミュジニーの名前で売られていたのです。

その当時、素晴らしいグラン・クリュを持っているにもかかわらず、モレ・サン・ドニ村の人たちには銘醸地としての自覚はあまりなかったと言われます。

例えば、ジュヴレの村が最高評価を得ている高名な畑であるシャンベルタンを、村の名前に取り込んでジュヴレ・シャンベルタンと改名し、一気に有名になったのに対し、モレの村はAOC発足に向け1927年にジュヴレ村を真似て、全く無名なグラン・クリュの畑、クロ・サン・ドニの畑の名前を村名に付け、モレ・サン・ドニとして売り出しましたが、全く名前は世間に浸透せず、もう少し考えようはなかったのか!、という声が多くあがったと言われます。

■ポンソ、デュジャックを筆頭に優れた生産者がこの村のグラン・クリュの実力を証明した

しかしブルゴーニュにおいて産地としての村の評価は、何よりもグラン・クリュの実力がどれほどであるか、によって判断されます。

モレ・サン・ドニは実力はあるのに、長い間それを発揮出来ずに埋もれていたのです

実力のあるグラン・クリュを擁していながら評価されなかったのは、それを活かせる優れた生産者がそれまでいなかったからで、近年になってようやく優れた生産者が高品質なワインを造り、モレ・サン・ドニの評価が上がってきました。

1970年代にポンソやデュジャックが評価を上げ、その後80年代にユベール・リニエが続き、90年代にはクロ・ド・タール、クロ・デ・ランブレーが今の地位を築きました。

モレ・サン・ドニのワインは長らく質より量の時代が長く続き、品質が向上したのは他の著名な村よりはるかに遅かったのです。

しかし今ではコート・ド・ニュイの中でも最も大きな変化を見せ、活気に溢れた産地となっています。

■細長く数多いプルミエ・クリュが、テロワールに対する愛着の証

この村も他の村と同様に集落の背後、グラン・クリュのクロ・サン・ドニとクロ・デ・ランブレーの間に谷がありますが、谷の切り込みは小さく、奥行きも浅いため、谷を抜ける冷涼な風が畑のテロワールに及ぼすの影響は小さめです。

グラン・クリュは5つあり、クロ・ド・ラ・ロッシュ、クロ・サン・ドニ、クロ・デ・ランブレー、クロ・ド・タール、ボン・ヌ・マールです。

①クロ・ド・ラ・ロッシュ
この村の最高のグラン・クリュで、5つの特級畑の中も最もミネラルの骨格が強く、パワーもありシャンベルタンに似ていますが、こちらのほうがこってり濃密。元々は小さな畑でしたが、周りの畑を吸収し拡大を続け現在の大きな畑となりました。区画と所有者によりバラツキが多い。ドメーヌ・ポンソが最大所有者で、元々の区画を持っているのもポンソで、ポンソのクロ・ド・ラ・ロッシュこそが真のクロ・ド・ラ・ロッシュです。

②クロ・サン・ドニ
この畑の名が村名になり、クロ・ド・ラ・ロッシュと共にこの村の2トップのグラン・クリュ。
やはりポンソが素晴らし区画を所有しており、樹齢は100年を超えます。

③クロ・デ・ランブレー
ドメーヌ・ド・ラブレイのほぼモノポール。
長らくブルゴーニュで一番レベルの低いグラン・クリュという評価だったが、90年代になって評価が向上しました。

④クロ・ド・タール
ボージョレーの造り手モメサン家のモノポール。
モレ・サン・ドニらしくないグラン・クリュ。どちらかというとシャンボール・ミュジニーに近い雰囲気を持っています。

⑤ボン・ヌ・マール
シャンボール・ミュジニー村にまたがるグラン・クリュ。
モレ・サン・ドニ側はほんのわずかな面積しかありません。

またモレ・サン・ドニのプルミエ・クリュは、ひとつひとつの面積が小ぶりなことが他の村にない特徴で、グラン・クリュの向かいに細長い畑がずらずらと軒を連ねています。

これはクリマの再編成の際に、他の村がいくつかのクリマを一つにまとめて分かりやすくしたのに対して、モレ・サン・ドニの生産者は、それぞれの畑のテロワールに対する強い愛着があったため、あえてまとめることをしなかったためです。

この村の一番有名なプルミエ・クリュは、この村の一番標高の高い350メートルに位置するモン・リュイザンで、赤白共に栽培できますが、ドメーヌ・ポンソはアリゴテを植え素晴らしいワインを造り、ブルゴーニュの珍品の一つです。

上の写真はモレ・サン・ドニ村を上空から見たもので、写真右下のお城のような建物がドメーヌ・ポンソの醸造所。その後ろにある畑がプルミエ・クリュのモン・リュイザン。醸造所の手前に広がる畑がグラン・クリュのクロ・ド・ラ・ロッシュ。

■味わいの特徴は「甘い」

ジュヴレ・シャンベルタンとシャンボール・ ミュジニーの2つの華やかなイメージの村に挟まれて、地味なイメージを持たれてしまっているモレ・サン・ドニ。 ジュヴレとシャンボールの間を取った中庸な味などと、「あまり特徴が無い」というような表現をよくされてしまいますが、実際はどうなのでしょうか。

味わいの面から分析してみると、モレ・サン・ドニの味の特徴は「甘い」です。
ジュブレ・シャンベルタン、ニュイ・ サンジョルジュ、シャンボール・ ミュジニーといったワインをモレ・サン・ ドニと共に造っている生産者のワインを比較しながら飲むと、 それぞれの生産者の違いを超えてモレ・サン・ ドニに共通する「甘さ」を感じます。 もちろん甘いと言っても砂糖のような甘さではありません。

例えるなら高密度で粘度の高い「黒い果実」 のフルーティーさです。 モレ・サン・ドニのワインは酸味が控えめなので、タンニンの強さで果実味を支える、ような味の構成がその甘さを引き立てているのです。

ジュヴレ・ シャンベルタンなど華やかに感じるワインの味わいの特徴は、酸味が味わいの骨格を形成して果実味を支えていることです。対してモレ・サン・ ドニは酸味が穏やかなため、果実味が重く感じ、それが味わいにおいて地味なイメージにつながっているのではないでしょうか。



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  • Domaine Ponsot Corton Grand Cru Cuvee du Bourdonドメーヌ・ポンソ コルトン グラン・クリュ キュヴェ・デュ・ブルドン

    ブルーベリーやキルシュの濃縮した果実アロマ。ブルゴーニュ最高峰の造り手「ポンソ」が造る特級畑コルトン!

    生産地
    フランス / ブルゴーニュ / アロース・コルトン
    造り手
    ドメーヌ・ポンソ【Domaine Ponsot】
    タイプ
    赤ワイン / 辛口 - フルボディ
    品種
    ピノ・ノワール100%
    生産年
    2016年

    商品コード: fow0705

    希望小売価格(税込):¥42,900

    販売価格(税込):¥38,610

    数量

    生産地
    フランス / ブルゴーニュ / アロース・コルトン
    造り手
    ドメーヌ・ポンソ【Domaine Ponsot】
    タイプ
    赤ワイン / 辛口 - フルボディ
    品種
    ピノ・ノワール100%
    生産年
    2016年
  • Domaine des Loups Morey-Saint-Denis Les Cognées 2020ドメーヌ・デ・ルー モレ・サン・ドニ レ・コニェ 2020

    2020年の暑さをほとんど感じないエレガントな出来栄え。フローラルでモレらしい土なども香るアロマ。

    生産地
    フランス / ブルゴーニュ / モレ・サン・ドニ
    造り手
    ドメーヌ・デ・ルー【Domaine des Loups】
    タイプ
    赤ワイン / 辛口 - ミディアムフルボディ
    品種
    ピノ・ノワール100%
    生産年
    2020年

    商品コード: fow1275

    希望小売価格(税込):¥10,010

    販売価格(税込):¥9,009

    申し訳ございませんが、
    只今品切れ中です。

    生産地
    フランス / ブルゴーニュ / モレ・サン・ドニ
    造り手
    ドメーヌ・デ・ルー【Domaine des Loups】
    タイプ
    赤ワイン / 辛口 - ミディアムフルボディ
    品種
    ピノ・ノワール100%
    生産年
    2020年
  • Domaine Arlaud Morey-Saint-Denis 1er Cru Les Blanchardsドメーヌ・アルロー モレ・サン・ドニ プルミエ・クリュ レ・ブランシャール

    ブラックチェリーとリコリス、ミネラルのツヤと粘性のある美しいモレ・サン・ドニの香り。グラン・クリュ並みの集中感と複雑性!

    生産地
    フランス / ブルゴーニュ / モレ・サン・ドニ
    造り手
    ドメーヌ・アルロー【Domaine Arlaud】
    タイプ
    赤ワイン / 辛口 - ミディアムフルボディ
    品種
    ピノ・ノワール100%
    生産年
    2019年

    商品コード: fow1138

    希望小売価格(税込):¥20,900

    販売価格(税込):¥18,810

    申し訳ございませんが、
    只今品切れ中です。

    生産地
    フランス / ブルゴーニュ / モレ・サン・ドニ
    造り手
    ドメーヌ・アルロー【Domaine Arlaud】
    タイプ
    赤ワイン / 辛口 - ミディアムフルボディ
    品種
    ピノ・ノワール100%
    生産年
    2019年
  • Lignier Michelot Morey Saint Denis en la Rue de Vergyリニエ・ミシュロ モレ・サン・ドニ アン・ラ・リュ・ド・ヴェルジー

    ピノらしい上品な余韻の長さが印象的。生産者がしのぎを削って世に送り出した、全房発酵の奥行きの深さをぜひご堪能ください。

    生産地
    フランス / ブルゴーニュ / モレ・サン・ドニ
    造り手
    リニエ・ミシュロ【Lignier Michelot】
    タイプ
    赤ワイン / 辛口 - ミディアムボディ
    品種
    ピノ・ノワール100%
    生産年
    2021年

    商品コード: fow0928

    希望小売価格(税込):¥15,620

    販売価格(税込):¥14,058

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    只今品切れ中です。

    生産地
    フランス / ブルゴーニュ / モレ・サン・ドニ
    造り手
    リニエ・ミシュロ【Lignier Michelot】
    タイプ
    赤ワイン / 辛口 - ミディアムボディ
    品種
    ピノ・ノワール100%
    生産年
    2021年

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