ドメーヌ・アンリ・グージュ
■ロベール・シュヴィヨンに明け渡したニュイ・サン・ジョルジュ最高のドメーヌの座に、再び返り咲くため復活にかける4代目グレゴリー・グージュ
■今日のブルゴーニュラヴァーにとっての恩人であるアンリ・グージュ
今はなきアンリ・グージュ(写真上は4代目の現当主グレゴリー・グージュ)は高尚な精神を持った傑人でした。1920年から30年代にかけてのブルゴーニュはネゴシアン(ワイン商)が粗悪なワインを横行させていたひどい時代で、アンリ・グージュはその現状に嘆き、ヴォルネイのマルキ・ダンジェルヴィーユらと共に粗悪品の追放に力を注ぎました。その努力が実ってAC法を制定させ、改正・充実につなげました。今日初心者でもひどいブルゴーニュワインをつかまされなくて済むようになり、そんな意味でわれわれブルゴーニュワインファンにとって大恩人であるのです。■現在は4代目のグレゴリーがドメーヌを運営
アンリ・グージュは第一次世界大戦後に父親より9haの畑を譲り受け1925年にドメーヌを設立しました。ヴォルネイのマルキ・ダンジェルヴィーユ氏やジュヴレ・シャンベルタンのアルマン・ルソー氏らと共に、その時代に蔓延していた粗悪なワインを追放するためにINAO(フランス原産地呼称統制協会)を設立し、その初代のメンバーとなりました。3代目は2人の息子のクリスチャン氏とピエール氏が分担してドメーヌを運営し、現在4代目はピエール氏の息子のグレゴリーが中心となってニュイ・サン・ジョルジュのみ15haの畑でワイン造りを行っています。 ■白の品種はシャルドネではなく代々大切にされてきたピノ・グージュ
初代のアンリ・グージュはニュイ・サン・ジョルジュの様々なクリマを買い集め、レ・サンジョルジュ、レ・ヴォークラン、クロ・デ・ポレ・サン・ジョルジュなどニュイ・サン・ジョルジュを代表する見事な畑を揃えました。一軒の生産者で一つの村にこれだけのクリマを揃えているところは他になく、ニュイ・サン・ジョルジュの特徴を知りたければ、まずアンリ・グージュのシリーズを味わってみるといいかもしれません。またアンリ・グージュのモノポールである「クロ・デ・ポレ・サン・ジョルジュ」の畑で、1930年に創始者アンリ・グージュがピノ・ノワールの突然変異によって生まれたピノ・ブランを偶然発見しました。そのピノ・ブランは「ピノ・グージュ」と呼ばれ、強いミネラルと透明感を持つブルゴーニュワインの中の珍品の一つです。 現在では主に1級ペリエールの畑と、オート・コート・ド・ニュイに近い区画でピノ・グージュを栽培していますが、最初に発見された「クロ・デ・ポレ・サン・ジョルジュ」の北側の区画でも毎年1樽の稀少なピノ・グージュを生産しています。■畑のブドウの木の列の間に草を植える
昔からコート・ドールの傾斜が急な畑では、強い雨が降った後に土が流れてしまうという問題を抱えていました。これに対し、3代目のピエール氏は1975年にブドウの木の列の間にホソムギやクローバーなど10種類以上の草を植える方法を考えだしました。これは降雨後の土地の侵食を防ぐだけでなく、雑草が生えるのを抑える働きもありました。また背の高い雑草が生えないために畑の通気が良く、カビの発生を抑える効果もありました。さらに草があることでブドウの根は横に広がらず下に向かって伸びるため、地中深くのミネラルを吸収することができ、結果としてテロワールを明確に表現することにも繋がりました。また畑を徐々にビオロジック栽培(有機栽培)に変えていき、2008年から100%ビオロジック栽培を行っています。■初代アンリの時代から使われているコンクリートタンクが今でも大切に使われている
畑でしっかりと選別して収穫されたブドウは、醸造所の選果台で厳しく選別されます。その後特殊な除梗機で破砕しないまま100%除梗され、醗酵タンクへ運ばれます。アルコール醗酵には白はステンレスタンク、赤はコンクリートタンクを使います。コンクリートタンクは初代アンリ・グージュ氏の時代に造られた古いものが今でも大切に使われています。■ドメーヌの伝統にこだわった結果、評価を落としていた時代
正統派ブルゴーニュの模範というべき酒造りでニュイ・サン・ジョルジュの指標的ワインを市場に出し、信頼を集めていたアンリ・グージュですが評価を落とす時期がやってきます。ドメーヌが代々こだわってきた、ブドウを完熟させて収穫し、タンニンが強いニュイ・サン・ジョルジュらしいワインを造ることが、フィネスを求められる今日のブルゴーニュワインのスタイルに合わなくなってしまったのです。タンニンの熟度にこだわり過ぎた結果ピノ・ノワールはまるでボルドーワインのようになってしまいました。これが多くの人が感じていた、アンリ・グージュのワインは「岩のように固い」、「かなりの長期熟成をさせないと飲めないワイン」というイメージとして定着してしまいました。その結果ニュイ・サン・ジョルジュ最高のドメーヌの座をロベール・シュヴィヨンに明け渡してしまいます。■4代目グレゴリーがドメーヌの復活にかけドメーヌの改革を推し進める
この状況を変えるため4代目のグレゴリー・グージュが新時代へと推し進めるべく大きな改革をします。最も大きな変化は、ブドウの収穫を早めてタンニンがよりソフトなタイミングでの収穫に切り替えたことです。その結果として今まで強大なタンニンの影に隠れてしまっていた酸味も綺麗に表れて、果実味と酸味、タンニンとのバランスの配分が飛躍的に向上しました。
また、醸造の面でもタンニンの良い部分のみを抽出するために、ポンプを使わないグラヴィティ・フローの構造に醸造所を建て替えたりと多くの変更をしました。
このように、大小の変革の積み重ねで2017年から変化が現れ始め、2018年ヴィンテージで一気に今までのイメージを完全に捨て去る素晴らしい出来に変貌を遂げました。ニュイ・サン・ジョルジュの巨人が復活した瞬間です。一時は遠くに離れてしまったロベール・シュヴィヨンの姿を再び捉えることが出来るか、注目です。
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Domaine Henri Gouges Nuits-Saint-Georges 1er Cru Clos des Porrets Saint-Georges Rouge Monopoleドメーヌ・アンリ・グージュ ニュイ・サン・ジョルジュ プルミエ・クリュ クロ・デ・ポレ・サン・ジョルジュ ルージュ モノポール
アンリ・グージュを代表するモノポール(単独所有畑)、粘土の層が厚いリッチな土壌、果実味と酸味との絶妙なエレガンスを持つ
- 生産地
- フランス / ブルゴーニュ / ニュイ・サン・ジョルジュ
- タイプ
- 赤ワイン / 辛口 - ミディアムフルボディ
- 品種
- ピノ・ノワール100%
- 生産年
- 2018年
商品コード: fow1079
希望小売価格(税込):¥14,894
販売価格(税込):¥13,405
申し訳ございませんが、
只今品切れ中です。- 生産地
- フランス / ブルゴーニュ / ニュイ・サン・ジョルジュ
- タイプ
- 赤ワイン / 辛口 - ミディアムフルボディ
- 品種
- ピノ・ノワール100%
- 生産年
- 2018年
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Domaine Henri Gouges Nuits-Saint-Georges 1er Cru Clos des Porrets Saint-Georges Blanc Monopoleドメーヌ・アンリ・グージュ ニュイ・サン・ジョルジュ プルミエ・クリュ クロ・デ・ポレ・サン・ジョルジュ ブラン モノポール
「ピノ・グージュ」と呼ばれるピノ・ブラン100%で造られる白ワイン。「クロ・デ・ポレ」のピノ・グージュは極めて稀少!
- 生産地
- フランス / ブルゴーニュ / ニュイ・サン・ジョルジュ
- タイプ
- 白ワイン / 辛口
- 品種
- ピノ・ブラン100%
- 生産年
- 2018年
商品コード: fow1080
希望小売価格(税込):¥18,964
販売価格(税込):¥17,068
申し訳ございませんが、
只今品切れ中です。- 生産地
- フランス / ブルゴーニュ / ニュイ・サン・ジョルジュ
- タイプ
- 白ワイン / 辛口
- 品種
- ピノ・ブラン100%
- 生産年
- 2018年