Puligny-Montrachet/ピュリニー・モンラッシェ
ピュリニー・モンラッシェ
■ピュリニー・モンラッシェの歴史と由来
■ピュリニー・モンラッシェの歴史
ピュリニー・モンラッシェはブルゴーニュのみならず世界の中でも最も高貴で複雑なシャルドネを生み出す村です。 透明感のある硬質な水晶を連想させる魅力的なワインが多く、その華やかで強靭なミネラルは愛好家の心を捉えて離しません。ピュリニー・モンラッシェ村の起源はローマ帝国の統治時代に遡り、その頃からワイン造りが始まっていたと言われています。
1094年、教会からクリュニー修道院へ寄進された「ピュリニアキュス」が、文献に現れる最初のピュリニー・モンラッシェだと考えられています。現在でこそ白ワインの銘醸地として世界中にその名を馳せていますが、当時から白の銘醸地だったわけではありません。
1685年の記録によればピノ・ノワールが栽培され、色の淡い赤ワインは「クレーレ」と呼ばれていたようです。白ワインの評価が確立したのは19世紀になってからのことで、斜面上部で産出する白ワインは「クレーレ」の3倍の価格で取引されていました。
現在でも赤ワインは生産されていますが全体のわずか1パーセントにしかすぎません
■「ひざまづき、脱帽して飲むべし」と称されるピュリニー・モンラッシェ
シャサーニュ・モンラッシェ村にまたがる世界最高峰のグラン・クリュ「モンラッシェ」を擁し、19世紀には文豪アレクサンドル・デュマがグラン・クリュモンラッシェを「ひざまづき、脱帽して飲むべし」と称賛したことでも有名です。また強靭なミネラルを持つグラン・クリュ「シュヴァリエ・モンラッシェ」はピュリニー・モンラッシェのテロワールを最も美しく描き出していると同時にモンラッシェと共に最高峰のワインです。痩せた強い石灰質の土壌から水晶のような硬質なワインが生まれるのです。
石灰質の比率が高いピュリニー・モンラッシェは、ミネラルと酸味が融合して絹糸のように繊細に広がるという特徴がワインに現れます。
■ピュリニー・モンラッシェのテロワール
■ピュリニー・モンラッシェの地形
栽培区域は、南北方向に約1.5キロとコート・ドールではかなり狭いのに対して、標高は230~380メートルで高低差はかなり大きなことが特徴です。この村のグラン・クリュとプルミエ・クリュエリアの斜面を形成するラッシェ山「Mont-Rachet」は、ジュラ紀の石灰岩および泥灰岩が交互に重なる母岩をもちます。このうち石灰岩の層は非常に硬く、灌木や雑草しか生えません。この山がラッシェ山(フランス語で禿げ山)と呼ばれるゆえんです。
また、ピュリニー・モンラッシェ村も他の村と同様に、渓谷が中心になり村のテロワールを形成しています。
しかしその影響は渓谷からの冷涼な風がもたらす影響というより、ブラニー村の集落のすぐ背後に位置するブドウ畑が広がる丘陵が、西のオート・コートからの冷たい風を遮り、畑の暖かさを保つかたちで影響を与えていることがピュリニー・モンラッシェのテロワールの大きな特徴です。
■ピュリニー・モンラッシェの土壌
ブラニー村からシャサーニュ・モンラッシェ村に接するラッシェ山の南側の4分の1がグラン・クリュのエリアで、ムルソーに接する北側の4分の3がプルミエ・クリュの栽培エリアになっています。斜面はほぼ全域で東向きの斜面(※)で、粘土石灰質の表土は斜面上部では石灰質の割合が強くなり、下部に向かって粘土質の割合が増していきます。
また村の北東から南西に断層が走っており、この断層を境に斜面下部は村名の区画、斜面上部はグラン・クリュ、プルミエ・クリュの区画にはっきりと分かれます。
ピュリニー・モンラッシェのワインはブルゴーニュ全体の生産量で見ると多くありません。またこの村に本拠地を置く生産者もとても少ないことが特徴です。
この理由は、地下水層が近いため、この村の地下深い位置にカーヴを掘ることが非常に困難だからです。
ワイナリーを構えるには必ず地下深くにカーヴを掘らなければ生産したワインを保管できません。その水層の存在が要因でこの村に醸造所を構えることが難しく、ピュリニー・モンラッシェ村に本拠地を置く生産者が少ない理由なのです。
(※)ブルゴーニュのグラン・クリュが東向きの斜面が多いのは、日光が朝早くから地表に対して直角に射すので日照時間が長く確保できるから
■ピュリニー・モンラッシェのワインの味わい
■シャープで硬質タッチのミネラル
ピュリニー・モンラッシェの白は、果実よりもミネラル感が前面に出てシャープで硬質なタッチの味わいで、シャルドネの特徴を素直に反映していると言われます。ブルゴーニュの白ワインの中で、一番石灰質のミネラルを強く感じるワインです。
若いうちはグリーンがかった淡いイエローの透明感のある色合いで、レモングラスやシダ、かすかにハチミツの香り。
熟成すると炒ったアーモンド、トースト、果物の砂糖漬けのブーケが出てきます。
熟成して美味しくなるのがピュリニーの特徴です。
■ピュリニーの味わいを例えると・・・
ブルゴーニュ3大白ワインと言われる、ピュリニー・モンラッシェ、シャサーニュ・モンラッシェ、ムルソーを簡単に例えてみると、ピュリニーは「筋肉(ミネラル)マッチョ」な感じ、シャサーニュは「均整とれたバランス良い体系の人」、ムルソーは「ぽっちゃりふくよか」なイメージです。それぞれ飲み比べてみてお気に入りの村を見つけてみて下さい。
■格付ごとのピュリニー・モンラッシェ
■グラン・クリュ
モンラッシェ Montrachetシャサーニュ・モンラッシェ村にまたがっている特級で、表土は50センチほどで最高の日照と気温、全てが完璧な条件で整い魂を揺さぶられる感動的なワインが生まれます。17人の生産者が所有しており一番力強く濃厚なタイプはD.R.C.(シャサーニュ側に所有)です。「濃すぎて好きではない」と言う人もいるほど。。。「好きではない」なんて言ってみたいものですが・・・
シュヴァリエ・モンラッシェ Chevalier Montrachet
標高265~300メートル、モンラッシェの上部に位置し、表土が30センチほどしかなくブドウの根はすぐ石灰岩の母岩に当たり、母岩のミネラルを根が直に吸収するため、とても強いミネラルを持つワインになります。
16人の生産者が所有していて、この畑を代表する生産者はドメーヌ・ルフレーヴです。優雅さと洗練さの極致のようなワインを造り、全てのシュヴァリエ・モンラッシェの模範となっています。
冒頭の写真は冬のシュヴァリエ・モンラッシェの畑からモンラッシェ、バタール・モンラッシェを見下ろした風景。
バタール・モンラッシェ Batard Montrachet
この畑もシャサーニュ・モンラッシェ村にまたがる畑で、モンラッシェの下部に位置し、表土は1メートルほどあり、粘土質も強いため最も肉厚で粘性が強いグラン・クリュです。
実力ではモンラッシェとシュヴァリエには少し差を付けられています。所有者は49人と多く様々なスタイルのワインが存在します。
ヴィアンヴィニュ・バタール・モンラッシェ Bienvenues Batard Montrachet
元々はバタール・モンラッシェでしたが、1939年にヴィアンヴィニュとしてバタールから独立しました。
バタールよりもさらに粘土質が強く濃厚なグラン・クリュです。ブドウの樹齢や造り手によってはバタールを凌ぐものもあるほど。ドメーヌ・ラモネが最も素晴らしいヴィアンヴィニュを造ります。
■プルミエ・クリュ
レ・ピュセル Les Pucelles最上のプルミエ・クリュで透明感の高いミネラルがキラキラとしていて魅力です。
ル・カイユレ(レ・ドモワゼル) Le Caillerets (Les demoiselles)
カイユレはモンラッシェと農道を1本はさんで北隣に位置します。クリマ名の語源「小石」が物語るように石灰質の土壌に非常に多くの小石が混じります。2つの区画から構成され、モンラッシェとシュヴァリエ・モンラッシェに接している区画はレ・ドモワゼル「お嬢様」と呼はれシュヴァリエにワインの特徴が似ています。
レ・フォラティエール Les Folatieres
村の中心に位置し最もピュリニー・モンラッシェの特徴を反映している畑です。
レ・コンベット Les Combettes
ピュリニーの北限にあるクリマ。北隣がムルソーのシャルム、斜面上部はシャン・カネに接します。ムルソーシャルムに似ており、ワインはグリセリンに富んだふっくらしたスタイル。小石がとても多く、ミネラル感にも溢れ、果実の豊かさとミネラリーさの両方を併せ持つちょっとお得なプルミエ・クリュ。
レ・ガレンヌ Les Garennes
1erクリュ「レ・ガレンヌ」は1erシャン・ガンのさらに斜面上部、標高は350メートルに達するピュリニー・モンラッシェの中で最も標高の高い畑の一つ。 ミネラルが非常に強く複雑な味わいで、ヴィンテージによっては熟成すると白トリュフのブーケが出てくることが特徴。
■シャルドネという品種について
■シャルドネを「白いご飯」に例えると
シャルドネという品種はよく個性がないのが特徴と言われます。たしかにソーヴィニヨン・ブランやゲヴェルツトラミネールのような、華やかな香りや分かりやすい特徴はありません。
しかし世界最高の白ワインに使われる品種である理由は何であるのでしょうか。
ここでシャルドネについて少しお話ししましょう。
シャルドネは世界で最もポピュラーな品種と言えます。人気の理由はこの品種自体には明確な個性、クセがないからです。
例えて言うなら、 松茸ご飯は華やかな香りで食事の主役になりますが、 白いご飯が主役になることはありません。
なぜなら白いご飯には華やかな香りも分かりやすい味もないからです。
しかしその代わりに白いご飯には食事全体をまとめ、 支えるという抽象的な美味しさがあります。
ワインに置き換えて言うなら固有の香りや味が明確でないだけに 、シャルドネは栽培されている土地の個性を驚くほど明瞭に、そして力強く表現してくれるのです。
■ピュリニーモンラッシェのシャルドネの個性
シャブリのような冷涼で痩せた土壌ではワインに"果実" 的な要素が最小限にしか感じられません。火打ち石のような鉱物の香りや、海苔の風味。シュヴァリエ・モンラッシェのような表土が30センチしかないような痩せた畑では厳しいミネラル感が特徴となりますし、バタール・モンラッシェのように表土が1メートルもある肥沃な畑では豊満なボディが特徴となります。
またシャルドネやソーヴィニヨン・ブラン、リースリング、ピノ・ブランなどの複数品種を同時にテイスティングし比較すると、ほぼ常にシャルドネが最もしっかりとした太い骨格を持ち、もっとも長い余韻を持っていることに気付かされます。
優れた全てのシャルドネのワインに共通する個性は、強直な力強さです。
その強直な力強さを最もワインに投影しているのが、ピュリニー・モンラッシェのシャルドネなのです。
ピュリニー・モンラッシェのおすすめワインはこちら
-
Francois Carillon Puligny Montrachet 1er Cru Les Combettes 2012フランソワ・カリヨン ピュリニー・モンラッシェ プルミエ・クリュ レ・コンベット 2012
『別格1級畑』と評価されることもある「レ・コンベット」。カリヨン好きなら一度は飲みたい、フランソワ渾身のキュヴェ!
- 生産地
- フランス / ブルゴーニュ / ピュリニー・モンラッシェ
- タイプ
- 白ワイン / 辛口
- 品種
- シャルドネ100%
- 生産年
- 2012年
商品コード: fow1215
希望小売価格(税込):¥36,300
販売価格(税込):¥32,670
- 生産地
- フランス / ブルゴーニュ / ピュリニー・モンラッシェ
- タイプ
- 白ワイン / 辛口
- 品種
- シャルドネ100%
- 生産年
- 2012年
-
Nicolas Gauffroy Bourgogne Blanc Femelottes 2020ニコラ・ゴーフロワ ブルゴーニュ ブラン フェメロット 2020
上あごをグッと押し上げて立ち上がるミネラルと酸味。口の中をギュッと掴んでくる古木の旨味。ピュリニー村の区画から。
- 生産地
- フランス / ブルゴーニュ / ピュリニー・モンラッシェ
- タイプ
- 白ワイン / 辛口
- 品種
- シャルドネ100%
- 生産年
- 2020年
商品コード: fow1285
希望小売価格(税込):¥5,390
販売価格(税込):¥4,851
- 生産地
- フランス / ブルゴーニュ / ピュリニー・モンラッシェ
- タイプ
- 白ワイン / 辛口
- 品種
- シャルドネ100%
- 生産年
- 2020年
-
Vincent Prunier Puligny-Montrachet 1er Cru Les Garennes 2020ヴァンサン・プリュニエ ピュリニー・モンラッシェ プルミエ・クリュ レ・ガレンヌ 2020
1er「レ・ガレンヌ」はピュリニーの中で最も標高の高い畑の一つ。ミネラルが非常に強く、熟成すると白トリュフのブーケが香る
- 生産地
- フランス / ブルゴーニュ / ピュリニー・モンラッシェ
- タイプ
- 白ワイン / 辛口
- 品種
- シャルドネ100%
- 生産年
- 2020年
商品コード: fow1399
希望小売価格(税込):¥22,220
販売価格(税込):¥19,998
申し訳ございませんが、
只今品切れ中です。- 生産地
- フランス / ブルゴーニュ / ピュリニー・モンラッシェ
- タイプ
- 白ワイン / 辛口
- 品種
- シャルドネ100%
- 生産年
- 2020年
-
Nicolas Gauffroy Puligny-Montrachet Corvee des Vignes 2020ニコラ・ゴーフロワ ピュリニー モンラッシェ コルヴェ・デ・ヴィーニュ 2020
ピュリニーの図太いミネラルを地中から十分に吸い上げられるのは古樹だけ。古樹の旨味とともにほどけるミネラルは見事!
- 生産地
- フランス / ブルゴーニュ / ピュリニー・モンラッシェ
- タイプ
- 白ワイン / 辛口
- 品種
- シャルドネ100%
- 生産年
- 2020年
商品コード: fow1287
希望小売価格(税込):¥12,870
販売価格(税込):¥11,583
申し訳ございませんが、
只今品切れ中です。- 生産地
- フランス / ブルゴーニュ / ピュリニー・モンラッシェ
- タイプ
- 白ワイン / 辛口
- 品種
- シャルドネ100%
- 生産年
- 2020年
-
Francois Carillon Bourgogne Cote-d'Or Chardonnay 2020フランソワ・カリヨン ブルゴーニュ コート・ドール シャルドネ 2020
レモンタルトのようなほんわかした甘香ばしさ。何ともリッチなブルゴーニュ・シャルドネ!!
- 生産地
- フランス / ブルゴーニュ / ピュリニー・モンラッシェ
- タイプ
- 白ワイン / 辛口
- 品種
- シャルドネ100%
- 生産年
- 2020年
商品コード: fow1213
希望小売価格(税込):¥6,710
販売価格(税込):¥6,039
申し訳ございませんが、
只今品切れ中です。- 生産地
- フランス / ブルゴーニュ / ピュリニー・モンラッシェ
- タイプ
- 白ワイン / 辛口
- 品種
- シャルドネ100%
- 生産年
- 2020年
-
Jean-Louis Chavy Puligny-Montrachet 2021ジャン・ルイ・シャヴィー ピュリニー・モンラッシェ 2021
ピュリニー・モンラッシェ村の全容を堪能できる、ハイレベルな村名『ピュリニー・モンラッシェ』!6区画のブレンド。
- 生産地
- フランス / ブルゴーニュ / ピュリニー・モンラッシェ
- タイプ
- 白ワイン / 辛口
- 品種
- シャルドネ100%
- 生産年
- 2021年
商品コード: fow1382
希望小売価格(税込):¥14,850
販売価格(税込):¥13,365
申し訳ございませんが、
只今品切れ中です。- 生産地
- フランス / ブルゴーニュ / ピュリニー・モンラッシェ
- タイプ
- 白ワイン / 辛口
- 品種
- シャルドネ100%
- 生産年
- 2021年
-
Jean-Louis Chavy Bourgogne Blanc 2021ジャン・ルイ・シャヴィー ブルゴーニュ シャルドネ 2021
ブルゴーニュ・ブランのレンジにもかかわらずミネラルマッチョな雰囲気も備える。コストパフォーマンスは極めて高い!
- 生産地
- フランス / ブルゴーニュ / ピュリニー・モンラッシェ
- タイプ
- 白ワイン / 辛口
- 品種
- シャルドネ100%
- 生産年
- 2021年
商品コード: fow1381
希望小売価格(税込):¥6,820
販売価格(税込):¥6,138
申し訳ございませんが、
只今品切れ中です。- 生産地
- フランス / ブルゴーニュ / ピュリニー・モンラッシェ
- タイプ
- 白ワイン / 辛口
- 品種
- シャルドネ100%
- 生産年
- 2021年