ブルゴーニュワイン地図
ブルゴーニュワイン地図と産地ガイド
皆さん、こんにちは。葡萄屋ソムリエです。ここでは、ブルゴーニュワインの地図を見ながら、それぞれの産地の特徴を解説します。
ブルゴーニュ地方はフランス北東部に位置し、ボルドーと比べて北にあり、内陸部に位置しています。ボルドーと共にフランスの代表的なワイン生産地として知られています。
ボルドーワインが「ワインの女王」と呼ばれるのに対し、ブルゴーニュは「ワインの王様」と呼ばれます。「ロマネ・コンティ」をはじめ世界で最も高額なワインが生産される地域でもあります。
ブルゴーニュ地方のワインの最大の特徴は、「畑」と「造り手の個性」が出やすいことです。地区や畑によりテロワールが異なり、ブドウは単一品種で造られるため、毎年違う味わいを楽しむことができます。
また、「小規模農家」「家族経営」という歴史もブルゴーニュの特徴です。日本でいう小さな"日本酒の酒蔵"という感じです。
小さな農家だからこその魅力にあふれるブルゴーニュ。
世界的に有名な生産者でありながら、土まみれの作業着姿で畑仕事に精を出す姿が見られます。ひょっこりワイナリーに立ち寄った際にも温かく迎えてくれる心地良さがここにはあります。
ボルドーを始めとするようなオーナー・社長・外部コンサルタント・醸造長などが集まって集団で導き出す大企業的なブレンドワインではなく、農家の主である造り手一人のワイン観がストレートに反映された神業のようなワイン。飲む人の感動につながる芸術品であることこそが、ブルゴーニュワインの真骨頂です。
しかし近年は投資目的で巨額な金額で畑やドメーヌが買われ、ブルゴーニュの畑の地価が高騰しています。
その結果、小規模農家・家族経営では高騰した畑の巨額の相続税を用意することが困難なため、子どもに畑を相続させられなかった結果、ドメーヌを存続させていけず、それまで数百年続いてきた伝統・文化が失われつつあるのも事実です。
多くの葛藤を抱えてしまった産地でもありますが・・・。
今回は、そんなブルゴーニュワインの産地や品種など、基本的な部分の解説をしていきます。
1.ブルゴーニュの位置
ブルゴーニュはフランスの地図上、首都パリから東南に150kmほど下がったところにあります。パリから高速鉄道TGVで2時間半ほどで訪れることができます。地図で見ると北から、シャブリ地区から始まり、100kmほど離れて、心臓部のコート・ド・ニュイ地区、コート・ド・ボーヌ地区、コート・シャロネーズ地区、マコネー地区、ボジョレー地区と続きます。
2.代表的な6つの産地
■シャブリ地区
世界的に有名なシャブリは、辛口白ワインの代名詞といっても過言ではありません。 ミネラルや花の香りが感じられるもの、すっきりしたものからパワフルなものまで、その味わいは豊かです。「シャブリには牡蠣」という言葉はワイン好きなら一度は耳にしたことがあると思います。シャブリはブルゴーニュの北端に位置し、20以上の村からなります。ブルゴーニュワインの中心部であるコート・ドールからは、実は距離にして100キロ以上も離れているブルゴーニュの飛び地的な存在です。
冷涼な気候ですが、丘陵には太陽の光が降り注ぐため、一日の寒暖差が大きく、シャルドネの栽培に向いている産地です。
シャブリ地区の最大の特色は、「キンメリジャン土壌」です。
粘土質とジュラ紀の貝殻などの化石が堆積した石灰質が組み合わさった独特の地質で、生育されるシャルドネに多大なニュアンスをもたらします。
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Pattes Loup Chablis Vent d'Ange 2020パット・ルー シャブリ ヴァン・ダンジュ 2020
自然派でありながらも『シャブリ』のミネラル、凝縮感を存分に感じられる、それがパット・ルーの魅力!!
商品コード: fow1358
希望小売価格(税込):¥9,020
セール特価(税込):¥7,225
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Patrick Piuze Chablis 1er Cru Vaulorent 2021パトリック・ピウズ シャブリ プルミエ・クリュ ヴォーロラン 2021
特級「レ・プルーズ」に隣接する実力派プルミエ・クリュ「ヴォーロラン」。2021年はエネルギッシュなミネラルが魅力!
商品コード: fow1380
希望小売価格(税込):¥14,740
販売価格(税込):¥13,266
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Jean Paul&Benoit Droin Chablis Premier Cru Vosgrosジャン・ポール・エ・ブノワ・ドロワン シャブリ プルミエ・クリュ ヴォグロ
リッチでミネラリーなワインを生み出す1級畑「ヴォグロ」。素材を活かす為に敢えて樽を使用せずに醸造している自信作です!
- 生産地
- フランス / ブルゴーニュ / シャブリ
- タイプ
- 白ワイン / 辛口
- 品種
- シャルドネ100%
- 生産年
- 2022年
商品コード: fow1178
希望小売価格(税込):¥11,000
販売価格(税込):¥9,900
申し訳ございませんが、
只今品切れ中です。- 生産地
- フランス / ブルゴーニュ / シャブリ
- タイプ
- 白ワイン / 辛口
- 品種
- シャルドネ100%
- 生産年
- 2022年
■コート・ド・ニュイ地区
コートドールの北半分はコート・ド・ニュイと呼ばれ赤ワインの銘醸地として名高い産地です。赤ワインがメインで、ピノ・ノワール単体で造られます。
ナポレオンが愛飲した「王のワイン」と呼ばれブルゴーニュ最多9つのグラン・クリュを持つジュヴレ・シャンベルタン、官能的なシャンボール・ミュジニー、ロマネ・コンティを有するヴォーヌ・ロマネなど綺羅星のような銘醸村が並びます。
A.O.C.は8つあり、グラン・クリュ(特級畑)は24個、プルミエ・クリュ(1級畑)41個と数多く存在しています。
ブルゴーニュ赤ワインのグラン・クリュはほとんど、コート・ド・ニュイにて造られています。
土壌はピノ・ノワール種に最適な石の多い石灰岩質と粘土質、泥炭土の混ざった土壌のため、水はけの良さが特徴です。
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Christian Clerget Vougeot 1er Cru Les Petit Vougeot 2013クリスチャン・クレルジェ ヴージョ プルミエ・クリュ レ・プティ・ヴージョ 2013
シャンボール・ミュジニーの特級畑ミュジニーと1級畑レ・ザムルーズに隣接!共通する特徴が多く、非常に興味深い1級畑
- 生産地
- フランス / ブルゴーニュ / ヴージョ
- タイプ
- 赤ワイン / 辛口 - ミディアムフルボディ
- 品種
- ピノ・ノワール100%
- 生産年
- 2013年
商品コード: fow2578
販売価格(税込):¥16,082
申し訳ございませんが、
只今品切れ中です。- 生産地
- フランス / ブルゴーニュ / ヴージョ
- タイプ
- 赤ワイン / 辛口 - ミディアムフルボディ
- 品種
- ピノ・ノワール100%
- 生産年
- 2013年
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Amiot Servelle Bourgogne Chardonnay 2018アミオ・セルヴェル ブルゴーニュ シャルドネ 2018
グッと濃厚、でも全くクドさはなく、塩ビスケットのような香ばしい樽加減が最高!余韻には石灰質のメントールのようなスースー感!
商品コード: fow1232
販売価格(税込):¥6,182
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■コート・ド・ボーヌ地区
コルトンの丘の丘陵地帯を境に、南半分はコート・ド・ボーヌと呼ばれます。こちらは白の銘醸地であり、ムルソー、ピュリニー・モンラッシェ、シャサーニュ・モンラッシェといった世界的に有名な高級白ワインを産出する村があります。
ムルソーは世界屈指のシャルドネの名産地の一つ。果実味のタップリとしたワインが造られます。
ピュリニー・モンラッシェとシャサーニュ・モンラッシェにまたがるグラン・クリュ モンラッシェからは世界最高級の白ワインが生み出されます。
また、コート・ド・ボーヌ唯一の赤のグラン・クリュがありコルトンの丘で造られます。近年D.R.C.がコルトン グラン・クリュ(赤)を造り始め、村の評価も急上昇しています。
白ワインで有名なコート・ド・ボーヌですが、実は以外にも赤の生産量のほうが多く、ポマールや、ヴォルネイは赤だけ生産する村で秀逸なワインが造られます。
土壌はコート ド ニュイ地区と同様で石灰岩質と泥炭土が混在した土壌構成となっています。
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Domaine Bachelet-Ramonet Chassagne-Montrachet 1er Cru Clos-Saint-Jean Blanc 2021ドメーヌ・バシュレ・ラモネ シャサーニュ・モンラッシェ プルミエ・クリュ クロ・サン・ジャン ブラン 2021
ベネディクト派修道士が開墾した村を代表する1erCru。アンズ、パイナップル、ミネラルの甘い香り。エキゾチックでトロピカル
- 生産地
- フランス / ブルゴーニュ / シャサーニュ・モンラッシェ
- タイプ
- 白ワイン / 辛口
- 品種
- シャルドネ100%
- 生産年
- 2021年
商品コード: fow1130
販売価格(税込):¥19,294
申し訳ございませんが、
只今品切れ中です。- 生産地
- フランス / ブルゴーニュ / シャサーニュ・モンラッシェ
- タイプ
- 白ワイン / 辛口
- 品種
- シャルドネ100%
- 生産年
- 2021年
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Dubreuil Fontaine Pernand Vergelesses Blanc 2020デュブルイユ・フォンテーヌ ペルナン・ヴェルジュレス ブラン 2020
往年のブルゴーニュ・ファンに愛されるいぶし銀ドメーヌ!甘やかなトロみのある果実味。塩気を感じる心地良いミネラル。
- 生産地
- フランス / ブルゴーニュ / ペルナン・ヴェルジュレス
- タイプ
- 白ワイン / 辛口
- 品種
- シャルドネ100%
- 生産年
- 2020年
商品コード: fow1229
希望小売価格(税込):¥7,700
販売価格(税込):¥6,930
- 生産地
- フランス / ブルゴーニュ / ペルナン・ヴェルジュレス
- タイプ
- 白ワイン / 辛口
- 品種
- シャルドネ100%
- 生産年
- 2020年
■コート・シャロネーズ地区
コート シャロネーズ地区は、シャロンの町を離れた西の丘陵地帯にあります。土壌はコート・ドールと同じ石灰岩質、粘土、泥灰質が混ざっています。 畑は点在していて、コート ドールの二つの地区のようにまとまって位置していません。この地区ではグラン・クリュはありませんが、プルミエ・クリュはなかなかの実力です。最も有名なのがメルキュレ村で、一級畑が多くあり、栽培面積のおよそ4分の1を占めています。熟成タイプの赤ワインの生産が中心ですが、辛口の白ワインも造っています。
■マコネ地区
マコネ地区はブルゴーニュの南部に位置する、シャルドネから造られる白ワインの名生産地。その生産量は大変豊富で、ブルゴーニュで造られる全ての白ワインの約3分1を占めるほどです。ワインは南寄りの産地らしくトロピカルで、まろやかな味わいが特徴。豊富な石灰岩質に粘土が混ざった他の銘醸畑に通じるテロワールを擁し、かつては安ワインのイメージが強かった産地ですが、今やコルディエなどの、時としてコート・ド・ボーヌの有名生産者をも凌駕する、ブルゴーニュの中でもトップクラスの実力派生産者も活躍する大注目の産地です。
■ボジョレー地区
ブルゴーニュ最南端の地区です。日本ではガメイから造られる新酒ボジョレー・ヌーヴォーが有名ですが、他にも高品質のガメイのワインなどが生産されています。北部は花崗岩を基盤とした丘陵地帯でガメイ種に適しており、中でも特に優れたアペラシオンは「クリュ・デュ・ボジョレー」と呼ばれ、高い評価を受けています。
またブルゴーニュの中において自然派の生産者が一番多い産地であり、近年大変な盛り上がりを見せています。今日の自然派ワインブームは、ボジョレーの故マルセル・ラピエールが自然派ワインの黎明期を牽引したことにより始まったのです。
3.ブルゴーニュのブドウ品種
ブルゴーニュワインがこれほど「畑」に注目される理由。その大きなものに、単一のブドウ品種でワインを造るところです。
例外として「A.O.Cブルゴーニュ・パス・トゥ・グラン」などは、ピノ・ノワールにガメイをブレンドできますが、これ以外は全て単一品種で仕込まれます。
白ワインは「シャルドネ」と「アリゴテ」
シャブリ地区の一部でのみ「ソーヴィニヨン・ブラン」
赤ワインは「ピノ・ノワール」
ボジョレー地区は「ガメイ」
単一品種だからこそ違いを感じ取りやすいのです。
加えてシャルドネとピノ・ノワールが土壌の特性をよく反映するブドウだという点も挙げられます。
コート・ドールはミルフィーユのように、様々な地層が重なった断層が湾曲し波打って、その波打った部分の上部が地上に露出している産地です。
だから数m離れただけで土壌の種類が微妙に違ったりするのです。
ブドウはそれぞれの品種ごとに向き不向きの土壌があります。
ピノ・ノワールはかなり土壌を選ぶ神経質な品種です。粘土石灰質土壌でこそ最高の実力は発揮するされていますが、重い粘土質や砂質での土壌では高品質ピノ・ノワールはあまり産出されません。
シャルドネはある程度どんな土壌でもよく育ちます。ただ、その味わいは土壌により大きく異なります。
隣接していて気候の差がない畑どうしでも、そこに境界を引きピノ・ノワールとシャルドネを分けて植えることがありますが、それは土壌が異なることを生産者が理解しているからです。
4.ヴィンテージのごまかしがきかない
ボルドーももちろんその年によりブドウの出来に差があります。だからこそ、熟すタイミングや味わいが違う数種類のブドウを栽培し、そのブレンド比率を毎年変えることで、ヴィンテージによる味わいの差を小さくしています。
だから条件の厳しいヴィンテージであったとしても、ある程度繕うことができるのです。
ブルゴーニュは単一品種なのでそれができません。
醸造技術で多少はカバーできるかもしれませんが、単一品種・単一畑でつくるならば、ヴィンテージによる味の違いは生じて当然ですし、ブルゴーニュワインはそこが魅力なのです。
ただし、ヴィンテージを「良い」ヴィンテージ、「悪い」ヴィンテージ、と考えるのは適切ではないでしょう。
ヴィンテージによる特徴はあっても、それは優劣ではありません。果実味豊かな「当たり年」、作り手の技術力が発揮される「オフヴィンテージ」、などのように、そのヴィンテージの特徴を見極めて、どちらが自分の好みかを考えることが大切です。
5.その多様性が人々を魅了する
ブルゴーニュワインは、「生産者が違えば味が違う」
「畑が違えば味が違う」
「レンジが違えば味が違う」
「ヴィンテージが違えば味が違う」
「熟成の度合いが違えば味が違う」
「高額のグラン・クリュを飲んでも全くもって美味しくないことが普通にある」
そしてブルゴーニュワインはそれぞれのワインは生産量が少なく一期一会です。
「飲むたびに特別な体験ができる」
全く美味しいと思えない残念な体験も含めて・・
飲んでみるまで分からなくて、予想を超思いっきり超えていくところ、予想を超思いっきり下回るところ・・・
きっとこの多様性に人々は魅了されるのに違いありません・・・?
大当たりを引いた時の美味しさが忘れられなくて、、たとえ何本ハズレても買い続けてしまう、、、
それがブルゴーニュワインではないでしょうか。